先生の口癖。
 

先生と話をしていると不思議な体験が出来ます。

今回書く2つのお話はその中でも飛び切り不思議な話でした。

 

その1:いつかわかるのは神様だけ。

年の初め頃でした。

祖父が危篤に陥り、医師から

『覚悟を決めてください。今のうちにご家族は会いに来てください』

と言われました。

 

その前に会うことは会ったので、今ワタクシがする事は万一のときに休みますと会社に話しておくことでした。

仕事はデスマーチ真っ只中なので、社長様、上司様に朝一番で事情を説明します。

2人とも事情が事情なのでもしもの時は気にせずにと言ってくれます。

 

その後、御大と吉田先輩にも説明すると

『大変だけど頑張って』

『そういうときには気にせずに休みなさい』

と言ってもらえます。

 

デスマーチの最中にやさしいなと思いましたが、忌引きくらいは取らせて欲しいです。

 

そうしていると先生登場です。

 

 

 

 

 

…この人にも言わねばならないのか。

 

意を決し、先生に説明です。

 

『あの、山下さん…今よろしいですか?』

 

『あ゛?何?』

 

『いえ、私事で申し訳ないのですが…祖父が危篤になりまして…』

 

『で?』

 

『はい、急に忌引きにさせていただくかもしれないのでその時はご迷惑をかけてしまうかと思うので、先に…』

 

『え゛?マジで?何?困るんだけど?

 

…困る?何に?先生、ワタクシが居なくて何に困るのだろう?
頭の中の『?』マークを消していると先生が更に口を開きます。

 

 

『まあ、わかったよ。仕方ねぇなぁ、でさぁ…

 

いつかわかんねぇ?

 

………………………………??????????

 

 

『……………はい?仰ってる意味が良く…』

 

 

『あ?だーかーらー、
要するに、いつ死ぬかわかってんの?』

 

 

…危篤…と言っても持ち直すかもしれません。

それ所か、今この瞬間に亡くなる可能性もあります。

 

わからないから、医者が早く会っとけと言った訳です。

 

なのに、ワタクシが休んでも痛くも痒くもないこの男は急に何を言うんだろうか?

 

何で『いつ死ぬの?』とか言えるんだろう?

 

慌てて御大と吉田先輩が

『何言ってるの山下さん!危篤なんだからそんなのわからないでしょ?』

 

『え?そういうものですか?』

 

『そうですよ、これが亡くなった話だったら、いつ休むとかわかるかも知れないけど危篤ですよ?』

 

『そうか?危篤はわからないのか?そうか…、でもなぁ…急に休まれるとなぁ…』

 

 

『山下さん、彼が休んでも何の問題もないのに何言っているんですか?』

 

『あ?これが結構あるんだよ』

 

『具体的には?』

 

『あー…………、えー………………、色々っス』

 

御大に弱い先生はそこで引き下がりましたが、正直驚きました。

 

 

その2:「やったことない」は魔法の言葉。

昨年の忘年会の事です。

毎年、新しいお店を探してくれる、マメな上司様。

 

去年のお店では、色々と種類が多くて楽しかったのですが、

卓にカセットコンロがあり、そこで鍋を煮ていました。

 

まだ、食べれる状態ではなく、煮ながら他のものを食べて皆で話をしててね。

 

と言う状況だったのですが話は仕事の話になり、当然仕事の話になると先生は旗色がよくありません。

 

『山下さん、話に参加してないですね』

 

と社長に注意されたりします。

 

そうしていると、鍋がグツグツいい始めます。

 

御大が

『山下さん、山下さんの前にお玉があるから鍋の具合見てよ』

と山下さんをご指名です。

 

すると…

 

 

 

『あ?俺やったことないからわかんないです』

 

 

 

…場が凍りつきました。

 

鍋の様子見てよ⇒やったことないからわからない。

 

…かつてこんな返事があったでしょうか?

 

その場は、ワタクシに回ってきます。

 

『君が一番妥当だよな!一番若いしな!!』

 

…先生が意味不明な発言をしています。

 

 

鍋の中を確認するのは老若男女関係ないでしょうに。

 

その時は、まだだったので火力を弱めて、トーク続行です。

 

そうしていると、ガスが尽きたのか、火が消えます。

 

社長が

『山下さん、出入り口に近いの山下さんだから、店員に火が消えたって言ってください。』

 

 

 

『え?何て言ったらいいかわかんないです。』

 

 

 

 

またまた、場が凍りつきます。

しかし、相手は社長様。

 

『何言っているんですか?ただ火が消えたって話をするだけでしょう?やってください』

 

『え?でも彼が一番若………』

 

『関係ないです』

 

『そうですよ、それくらいやったらどうなんですか?いつもいつも…』

 

アルコールでバーサク入った吉田先輩が火を吹きます。

 

 

渋々と、店員さんに火が消えたことを伝える先生。

 

『やれば出来んじゃん』

 

吉田先輩、溜まってます。

 

『火?消えちゃいました?ごめんなさい、ガスですね。部屋の出入り口に次のガスが置いてありますから、すみませんが交換してください!』

 

流石は年末の忘年会時、店側も余裕がありません。

 

 

しかし、店内に響くように先生は吠えます。

 

 

 

『え?やったことないからわかんないです、やってください!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『バカかーーー!!!』

『さっきからソレばっかじゃないですか!!』

『もういいです、俺がやります』

『あははははははは!!!』(御大)

 

 

凍った店内に会社のみんなの怒号とかが響きます。

 

…先生?

あなたは今年で何歳かな?

どうしてカセットコンロのガス交換もしたことないのかな?

 

そして、酔っ払い達はガス交換よりも先生に色々言い始めているので、ワタクシがガス交換します。

 

 

そう言えば、これも補助ですね。

 

嫌な年末を過ごしながら脳内は翌年を予言している?と警報を鳴らすのでした。

 

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