PDW (Personal Defence Weapon) / 個人防衛火器
1986年にフォートベニング陸軍訓練基地で発行されたD/296文書によると、以下のように定義されています。
1. レベルIIIaのボディアーマーを貫通する弾薬
2. 小型の高速小口径弾
3. 短機関銃並のコンパクトさ
80年代頃、軍の後方部隊や警察機関では、ボディアーマーの高性能化に対して既存の携行火器の威力不足が問題視されていました。
しかし、M4等のアサルトライフルでは携行性が悪いので、コンパクトかつ高威力な銃が求められたというのがP90に代表されるPDW誕生の経緯です。
PDW−個人防衛火器。という名前の割には特殊部隊で使用されるやつが多いような。
以前P90(第8回)のときに「ゴールキーパーとしてスカウトしたのにいつの間にかセンターフォワード」と喩えましたが、今度のやつはさらに斜め上を行く、いや斜め上を逝くやつです。
P90にしろMP7にしろ、『専用弾薬の使用により、運用コスト上昇と前線との弾薬および弾倉の共有不可』という共通の問題点を抱えています。
「なら、弾薬と弾倉をM4と同じものにしちゃえば良いじゃない!
大きさはP90くらいでな!うはw俺天才www」
とクリスコスタが言ったかどうかは知りませんが、アメリカ合衆国コロラド州のMagpul社が考え出した答えが、2008年のショットショーにて発表されたPDR(Personal
Defense Rifle)です。コンセプトとしては 「M9ピストルより強力で、M4カービンより取り回し易い銃」であり
スペック:全長約50cm、重量約2kg、使用弾薬5.56mm×45 NATO弾
となっています。
専用開発ではなくM4の弾が弾倉ごとそのまま使えます。
威力強いけど大丈夫?
目標貫通して後方に被害出ちゃうよ?いいの?
またもやサッカーで喩えると
「どうせゴールキーパーとして教育しても、
試合が始まったら勝手にセンターフォワードになっちまうんだから、
スカウトの段階でセンターフォワード入れとこうぜ!
んでキーパーとして教育すんの。どうよ?」
みたいな発想の転換と申しますか、もういったんキーパーにしなくてもよくね?という代物になりました。
まあこれで運用コストなんかは抑えられるし、取り回しやすく高威力とくれば需要は高そうです。左右どちらでも同じ操作ができる点やピカティニーレール装備、ボタン一つで排莢口の切り替え等、これまでのPDWの欠点を改善するだけでなく、より完成度の高いものになっています。
まあ、開発中止になりましたけどね。
どうしてこうなった。
こんだけ盛り込んどいて完成しないなんて、小学生が考えた「僕が考えたすごい銃」と変わりませんよ?
今回のエアガンは、そんなかんじでMagpul社発「僕が考えたすごい銃」PDRの電動ガンです。
実銃が生産されてないのにオモチャのほうが先に発売されるとかねぇ。
銃本体に
FOR TRAINING AND SIMULATION USE ONLY(トレーニングおよびシミュレーションにのみ使用してください)
とかいてありますが、実銃がないのにこれを訓練に使っていったい実戦で何をしようというのか。
ああもう実銃のことは忘れよう、そんなもの最初から無かったんだ。
見た目。外装はざらっとしたポリマー素材、デュポン社製強化ポリマーかどうかはわかりません。
P90に近いデザイン。ただしマガジン周りはFA-MAS寄りか。
マグリリースボタンはトリガー付近にあり、すばやいマグチェンジが可…硬い!人差し指で押せない。
すばやく押そうとすると人差し指の腱がリリースされそうです。
セミ・フルはトリガー二段引きで切り替え。セミオンリー戦では厳しいですね。
コンセプトではM4のマガジンが使えるとのことだったので、試しにUFCの300連を挿し…
入らない!抜けない!
マグキャッチの爪が引っ込んだまま元に戻らない!!!
というわけでP−MAG使っといたほうが無難です。
命中精度は、ロングレンジ撃ってないのでわかりませんが、5mの集弾はまあまあ、初速は安定しているのでそこそこ使えそうです。ホップパッキンはマルイの純正に交換したほうが良いみたいですね。
整備性。アッパーはピン3本ではずせるし、メカボばらさなくてもバネはずせるので便利。そこから先はまだ見ていません。
PDRは、結果的には開発中止と不幸な結果に終わりましたが、そのコンセプトはエアガンにも受け継がれており、M4ユーザーのサブとしてはもちろん、サバイバルゲームのチームでM4系マガジンの共有化が図れればゲームでも有利に働くと思われます。
【モラトリアム・ダンディ】
リンク@メーカーサイト:PTS MAGPUL日本総代理店 アクセスオーバーシーズ
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